16歳の男の子をもつ母親によると、彼女と夫は息子より何時間も前に床に就くという。

息子が寝るのは午前1時か2時だ。
「夜中に何をしてるんだか。宿題をやったり、家のなかをうろついて、つまみ食いでもしてるんでしょうね。
夜ふかしはやめるよう何度も注意したのよ。 私がこの文章を書いているのは土曜日のお昼だが、2人の娘はまだ寝ている。
ひとりはキルトの下で胎児みたいに丸まったきりで、生きている気配もない。 もうひとりはベッドのうえで手足を伸ばし、いびきまでかいている。
いつからこんなふうになったのか覚えていない。 かつては、夜明け前に目をぱっちり覚ました子どもたちが、寝ている私に飛びついてきたこともあった。 でもそのうち、私が朝食をすませ、お昼ごはんも食べおわって、芝生の手入れを始めるころにならないと、穴ぐらからはいだしてこなくなった。 いま16歳の長女へイリーは、去年あたりからまるで別人になった。
私たちには朝の日課ができた。 まずヘイリーに朝よと声をかける。
15分後、起きなさいと大声を出す。 いよいよスクールバスの時刻が近づいたら、部屋に押しかけてベッドのマットレスを勢いよくはねあげ、彼女を床にすべり落とす。」

この母親も自分を責めていた。 息子は放課後にスポーツ活動をしていたので、宿題をすませるために遅くまで起きていなくてはならなかった。
それが悪い習慣になったのだと考えている。 「私がハイスクールの生徒だったときは、就寝時刻が決まっていたわ。
何があっても10時にはベッドに入るのが約束だったの。 息子にも、そういう決まりを作らなくちゃいけないのかも」

だがB大学で睡眠を研究するM・Cによると、親の放任はごく小さな要素にすぎない。
ティーンエイジャーは夜ふかしと朝寝坊をするようにできているのだ。 あえて言うなら、脳のせいということになる。

Cがここ数年続けてきた研究で、ティーンエイジャーの夜ふかしと朝寝坊には、生物学的な要因が関係していることがわかってきた。 身体が成長しているからというだけでなく、脳のほうも根本的な変化を遂げつつあるのだ。
思春期に入ると、メラトニンの分泌開始がそれ以前より最高2時間も遅くなることは、Cたちの多くの研究で確認されている。 時差ぼけ対策の薬として市販されているメラトニンは、脳内で睡眠をつかさどる物質だ。


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